今日はラノベで「冴えない彼女の育て方」(さえないヒロインのそだてかた)、2巻です。この巻は、同人ゲームのプロット段階のお話。最終的に詩羽先輩に「楽しくない」という理由でリテイクを要求して、一夜を共に過ごすという回です。ま、徹夜で修正作業をするだけですが。
英梨々によれば、恵は印象がないという評価です。
無表情なら感情のないキャラとして立つのよ。あなたの場合、そこまで表情が固定されてないから綾○系で押すわけにもいかない。
(p.121)
中途半端なのが一番印象がないということですね。しかしそれで言ったらアニメの恵は無表情キャラとして立っているような気がします。
2巻は作家ネタがいくつか出てきます。作者の丸戸史明さんの経験によるものでしょうか。
作家ってのは日常生活のどこからでもネタを切り取ってくるものよ
(p.184)
例えば、出版社の編集さん、町田苑子のセリフ。
どこかの勘違い作家が『本当に面白い作品なら宣伝しなくてもいつか必ず売れる』とか世迷言ほざくことがよくあるけど、ぶっちゃけそんな遅くに評判になっても、その頃にはとっくに打ち切られてる
(p.199)
これってフィクションとはとても思えないリアルさがありますよね。
いいなと思った一言は。
人が本当に欲しい物を手に入れた瞬間の、何物にも代え難い嬉しさ
(p.172)
これは秀逸です。特に「瞬間」というのが重要です。あくまでそれは瞬間なんですね。持続しないからこそ何物にも代え難いのです。
冴えない彼女の育てかた 2
丸戸 史明 著
深崎 暮人 イラスト
ファンタジア文庫
ISBN: 978-4040710815