今日は横溝正史さんの「血蝙蝠」です。
推理小説っぽい短編が8つ、最後にSFっぽい短編が1つ入っています。2編目の「物言わぬ鸚鵡の話」は、舌を切られたオウムが出てくる、とても短い作品です。ビックリするようなオチではないのですが、何か心に残ります。
本のタイトルにもなっている血蝙蝠ですが、ヘンな人が出てきます。
髪を長く伸ばした、色白の、三十前後の男で、黒い帽子に黒いマントを羽織り、そのマントの下に、これまた黒地の洋服を着て、襟には意気な紐ネクタイを結んでいる。
(pp.160-161)
ドラキュラみたいな感じでしょうか。コウモリが出てくるのでちょうどいい感じです。
SFっぽい話というのは「二千六百万年後」。数十年先とか数百年先を想像したSFなら世の中にわんさかありますが、2600万年というのは壮大ですね。
戦争はもう十八万八千八百年も続いているのです。
(p.257)
飽きないのでしょうか。
血蝙蝠
横溝 正史 著
角川文庫
ISBN: 978-4041092989