Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

コンビニたそがれ堂

今日は、村山早紀さんの「コンビニたそがれ堂」。

日本の神様、物の怪が出てくる、ほんわかしたストーリーです。といっても、あまり前面には出てこないですが。

風早の街の 駅前商店街のはずれに
夕暮れどきに行くと
古い路地の 赤い鳥居が並んでいるあたりで
不思議なコンビニを 見つけることがある
といいます
(p.5)

 夕暮れ時というのは、つまり「たそがれ」です。この時間に不思議なことが起るというネタは「君の名は。」にも出てきましたが、日本では昔から伝えられていたものです。文庫本の表紙に出てくる鳥居(Amazon では単行本の表紙で確認できます) の横には狐の像があります。つまり、コンビニのご主人は狐の神様です。必要な人にだけ見えるコンビニに、必要な物が必ず置いてある、というのがこのシリーズのパターンになっています。

収録されているのは6つの短編。あとがきに書かれているように、元本は児童書ということで、童話のような雰囲気の書き方です。個人的には、立原えりかさんの童話を少し思い出しました。

2つ目の短編「手をつないで」に出てくる女の子の名前は、えりかちゃん。このえりかちゃんがママにリカちゃんを捨てられてしまい、それを探して歩いているときにコンビニを見つけます。しかし、売られていたのはえりかちゃんのリカちゃんではありませんでした、という少し奥の深い作品。

3つ目の短編「桜の声」に出てくる、ケツメイシさんの「さくら」が魔法の呪文のようだという感性は、何かほんわかとして心地よいです。

個人的には、4つ目の短編「あんず」が一番好きです。猫が人間になるキャンディを舐めて、一日だけ人間になる話です。

 

コンビニたそがれ堂
村山 早紀 著
こより イラスト
ポプラ文庫ピュアフル
ISBN: 978-4591114162