今日は「たった10分間で100単語覚える方法」。
暗記法の本だと思うのですが、根本的な問題があります。10分間で100単語覚えるというのは、例えば知らない英単語を100個覚えるような話だと錯覚してしまいそうですが、この本はそうではありません。既に覚えている単語を、100個、忘れないように定着させる、というような話です。
もっと細かくいえば、定着させたい単語1つに対して、連想する単語を次々と100個リンクさせる、マインドマップのようなものを作って暗記を定着するというアイデアなので、それを始める時点で最初の単語と他の単語との関連が頭の中に存在する必要があります。
そこからさらに別の単語を連想するには、その次の単語との関連も頭の中に入っていないといけない…ということで、一体何を「覚える」のかよくわかりません。
ただ、受験勉強等で単語を覚えるときに重要なのは、それを覚えるということではなく、忘れないことなのです。その点においては、既に知っている単語の連想ゲームでも、全く意味がないとはいえませんが。
気になったところから1つ紹介します。
丸暗記というのは、脳がネットワークであることを無視し、ネットワーク内になかったことは、ネットワークに入れてやらずに保存しようとするやり方です。
(p.67)
これは違います。どんな丸暗記も、脳内に記憶する時点で既存の知識と関連付けをします。例えば既知の単語は、その単語が使われる熟語、関連語のようなデータと既にリンクされています。丸暗記する内容は、その既存のネットワークに挿入する処理によって記憶が完成します。
たった10分間で100単語覚える方法
青生享水 著
データ・ハウス
ISBN: 978-4781701707