Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

HELLSING OVA

今日はアニメで「HELLSING」。吸血鬼モノです。化物語のようなライトな吸血鬼ではなくヘビーです。血がドバドバ流れます。

主人公の吸血鬼はアーカード。今更説明するのもアレだが Dracura を逆転させて Arucard というのは昔から使われている定番の名前。何をどうやっても死にません。ストーリーとしてはどうやって不死のアーカードを殺すかというのがネタになっています。このアーカードが血を吸って吸血鬼になった府警がセラス・ヴィクトリアで、化物語阿良々木暦の立ち位置ですね。

アーカードの女主人がインテグラル。ヘルシング家の当主です。アーカードインテグラルに絶対服従で、インテグラルの命令がないと動きません。インテグラルの決め台詞は Search and destroy. 見つけて殺せ。殺す相手は人間でなくバケモノです。アーカードはその通りに動くわけです。

アーカードの宿敵はアンデルセン神父。エイメン。この人は人間ではなく既にバケモノですが、アーカードはまだアンデルセンを人間とみなしているようです。

テレビアニメ版に出てこなかったキャラで、今回の準主役がミレニアムのリーダーの少佐。戦争マニアというか、戦争が全てという思想を持っています。戦争は目的ではなく手段のはずですが、少佐にとって手段が全て、戦争をするためなら目的はどうでもいいというポリシーで動いています。ナチスドイツの親衛隊という設定になっていて、ロンドンに飛行船で空襲をしかけるシーンは壮絶。一般市民が死にまくります。

個人的に気になっていたのが、シュレディンガー准尉。何で猫耳なんだろとバカなことを思っていましたが、シュレディンガーだから猫なんですね。納得。

シュレディンガーは自決しますが、アーカードも誰かに殺されたいという願望を持っているように見えます。不死の存在というのは最強のようですが、唯一、死ぬということがうまくできない。アーカードのレベルになると自殺すらできない。このアニメ(原作も)は、人間は簡単にどんどん死んで行くし、死んでもグールになって動いていたりしますが、不死のアーカードを見ることで、人間は何で生きるのだという永遠のテーマが見えてくる。例えば円卓会議のペンウッド卿にインテグラルが問いかけるシーン。

「私はてっきり、あなたが裏切っていたのかと思いましたよ」
「私は無能かもしれんが、卑怯者ではないよ」
(第五話 V)

インテグラルは逃げろといいますが、ペンウッド卿はその場に残り、指揮官としての職務を遂行しようとします。それがペンウッド卿の生きる理由なのです。