Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

乙女の日本史

今日紹介するのは「乙女の日本史」。

多分、タイトルから中身が想像できないと思いますが、ざっくり言えばネタ本です。歴史の勉強には向いていません。日本史に出てきた女性を夜の世界、いや、裏の世界に注目してアレするみたいな、そうでもないな、BL的要素が満載だし。各時代のシメに出てくる紹介マンガも見逃せません。

例えば上杉謙信女性説とか、

謙信が女性大名であっても、戦国の慣例としてはおかしくない
(p.100)

という理由で、だから女性だったら女性だと宣言していたはず、でも宣言していないのだから女性ではないはず。という論理は一見正論のように見えますが妄想ですよね。事情ってものがあるわけで。まあでも、どうでもいいところに突っ込むというのがこの本の醍醐味なわけです。どうせなら両性体も検討して欲しかったところ。

BLといえば、よくネタにされる森蘭丸について、

「美少年どころかゴリマッチョだった」
(p.125)

小姓というのはガードマン役も兼ねていますから、パワーのある男を配置するというのは理にかなっているわけですが、マッチョはともかくゴリまでイッてますか。

鹿鳴館といえば文明開化の見所スポットなのですが、

夜の街で鍛え上げられた元芸者たちの乙女力が十分に発揮されたのが、鹿鳴館だったのです。
(p.202)

そんなの歴史の教科書には書いてなかったような気がします。

1884年のバザーでは有力なダンナを持つ奥方たちによる、手作りの人形やらハンケチにとんでもない高値が付き、なんと3日で現在のお金にして約2億1312万円もの収益があったとか!
(p.203)

誰が買ったのだろう。何か付加価値とか、付加サービスとかあったのでしょうかね。握手券とか。

各章の最初に出てくる概略マンガにどこかで見たことのあるキャラがサラっと出てくるのも面白いです。


乙女の日本史
堀江 宏樹 著
滝乃 みわこ 著
角川文庫
ISBN: 978-4041015896