今日紹介するのは「学びの羅針盤」、LAに関する話題を紹介した本です。
LA というのは、Learning Analytics ラーニングアナリティクス、学習分析のことです。
教育や学習に関わるデータを集めて分析し、教育や学習に役立てようという研究分野
(p.4)
ビッグデータ分析と並行して、個人のデータを解析することで、学習に活かそうという試みです。教育する側、される側、両方のアプローチがあります。最近流行しているものとして、eポートフォリオがあります。
レポートやプリント、授業のメモなど、学生の学習に関わる記録をデジタル化してまとめたもの
(p.9)
今までの勉強記録が全て保存されるということは、サボったという履歴も全て残ってしまうわけですね。学習としては有益なのかもしれませんが、生徒の抵抗とか小細工とか出てきそうな気もします。
個人的には、生れてから死ぬまでに入力した全データが残せたら、なかなか面白いのではないかと思うわけですが、それを LA に使うためには個人情報の保護が重要な課題になります。
プライバシー保護のためには、個人を特定できないかたちでデータを集める必要がありますが、どういう方法でそれを行うのかという問題もあります。
(p.143)
学習プロセスと関連付けた分析をするためには、個人毎の縦断的な分析が必要になります。匿名で多数のデータを集めるだけでは不十分なのです。
情報研シリーズ23 学びの羅針盤: ラーニングアナリティクス
情報システム研究機構国立情報学研究所
古川 雅子 著
山地 一禎 著
緒方 広明 著
木實 新一 著
財部 恵子 著
丸善ライブラリー―情報研シリーズ
ISBN: 978-4621053898