Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

マエストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。

今日の本は天沢夏月さんの「マエストロ・ガールズ」。高校生向けかな。

この本はノーヒントで実際に読んで欲しいので内容に関しては特に書きませんが、一つだけ。タイトルに「憑いてます」と書いてありますが、この物語に出てくるメインキャラは、主人公の七瀬美香、最初から最後まで絡んで来る男子の川崎、もう一人の紫乃が幽霊です。コルネットという楽器に憑いていて、拾った美香の体を借りて演奏するのですが、

健康だけが取り柄みたいなあたしにとって、死なんてものは日頃は意識にすら入ってこない。十七歳で死ぬ人生なんて、想像もつかない。
(p.020)

高校生の頃に死なんて普通は意識しませんよね。身近にいる誰かが死んだ時位のものでしょうか。私は結構そういうことはあったのですが、それでも十七のときに自分が死ぬことなんて考えてなかったですね。

吹奏楽部が舞台なので、楽器がそれなりに出てきます。演奏するときにはいろんな楽器の知識が必要だという話があって、

その知識は演奏のためには不要かもしれない。でもそれを知っているのと、知らないのとでは、音の聴こえ方が変わる。
(p.111)

私はオケの楽器は殆ど何も知りませんが、中学生の頃からギターを弾いているので、知っている楽器の聴こえ方が変わるというのは感覚的に分かるような気がします。自分が演奏できる楽器は、自分だったらこう弾くとか、こんな弾き方があるのかとか、余計なことを考えてしまうからかもしれませんが。

メインキャラを三人紹介しましたが、

川崎って、氷属性なんだよね。紫乃の音って、光みたいだと思うから、相性いいのかもね。透明な氷に光が反射して、きらきらする。
(p.117)

私の演奏は闇属性なので多分合いませんね。本には威風堂々とか出てくるので、クラシックでも聴きながら読めばいいのかもしれませんが、私は今日はずっと Genesis 聴いてたし。


エストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。
天沢 夏月 著
小学館文庫キャラブン!
ISBN: 978-4094066906