Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

掟上今日子の退職願

今日は「掟上今日子の退職願」です。4つの短編が入っています。

1つ目は「掟上今日子のバラバラ死体」。バラバラ死体なんて言葉は最近見ませんけど、まあ見たくはないですけど。

一人で持ち上げるつもりがなければ、二人でも持ち上げることはできないというじゃないですか
(p.62)

そんなこと言うかな、と思いましたが、確かにそのような気はします。

2つ目は「掟上今日子の飛び降り死体」。飛び降り死体という言葉は流石に見た記憶がありません。

『あなたの気持ちはわかる』とか『あなたのために言ってるんだ』とか、結局はそんなの『あなた』を鏡に見立てて、自分の意見を投影しているだけなのだ。
(p.77)

情けは人のためならず、って奴ですね。

人は、正しいことをするよりも、不正を正そうとするものだ。
(p.146)

炎上するというのは、この原理が働いているような気がします。

3つ目は「掟上今日子の絞殺死体」。

正しいことをしている人を見るって言うのは――案外、不愉快なものなのよね。
(p.174)

それは自分が正しくないことを再認識してしまうからなのでしょう。

4つ目は「掟上今日子の水死体」。水死体といえば犬神家の一族が有名ですが。個人的にはこの言葉が納得でした。

私は一円もらえれば、一円分、百万円もらえれば百万円分、働くだけの探偵です
(p.237)

ちなみに、私のポリシーは、1円もらえば2円分、100万円もらえば200万円分の仕事をする、なんです。言ってることはカッコイイですが、実際は100万円もらって50万円分の…みたいな気がしないでもないです。

 

掟上今日子の退職願
西尾 維新 著
VOFAN
講談社
ISBN: 978-4062199063