今日紹介するのは、ブルーバックスのシリーズから、マーチン・ガードナーさんの「数学ゲームⅠ」。随分昔に読んだものですが、発掘してきました。
サイエンティフィック・アメリカンに掲載された内容を集めたもので、この本には次の内容が掲載されています。
予期しない絞首刑のパラドックス
結びとボロメオの輪
超越数e
図形の分割
スカーニとギャンブル
四次元の境界
パズル八題
マッチ箱ゲーム思考機械
らせんのイメージ
回転と鏡映
このうち、特に印象に残っていたのは「マッチ箱ゲーム思考機械」です。元ネタは
エジンバラ大学の生物学者、ドナルド・ミッシーの巧みな考案によるもの
(p.142)
で、いわゆる3×3マスの○×ゲームを、マッチ箱を使って必勝パターンを機械的に学習させたというものです。このゲームに対応するには300個のマッチ箱が必要になってしまうので、ガードナーさんはヘキサポーンという24個のマッチ箱で学習できるゲームを更新し、読者に実験するようにすすめています。もちろん、今ならパソコンで簡単に試すことができます。
この実験に必要なのは、
空のマッチ箱が二四個と色ビーズが必要である。いろいろな色をした小形のキャンデー――たとえばなつめ菓子――や、色付きのポプコーンでもうまくいく。
(p.147)
これだけなので、実際にやってみた人が続出、この本には実験した人の読者からのお便りも紹介されています。ある人は、マッチ箱機械と試合して、自分の方が機械よりも早くヘキサポーンを習得したというのですが、その理由が、
「機械が負ける度に、中からお菓子を取り出して食べてしまったからです。」
(p.154)
数学ゲーム 1 楽しい数学へのアプローチ
マーチン・ガードナー 著
高木 茂男 翻訳
ブルーバックス 248
ISBN: 978-4061178489