Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

ヤクザに学ぶ交渉術

今日の本は「ヤクザに学ぶ交渉術」。

ヤクザといえば脅しのプロというイメージかもしれませんが、実際に手を出さなければ、脅しというのも交渉の一種ですから、交渉のプロという視点もあるわけです。この本には、カタギとは違った論理の交渉事例がいくつも出てまきす。

非常識な人間が一番強いんだ。常識的に物事を考えてたら何もできない。頭を非常識に切り替えないとダメ。
(p.156)

という世界ですから、まあ凄いエピソードがゴロゴロと出てきます。ただし共通しているのは、一度決めたら曲げないということ。

最近は暴対法というのがあって、ヤクザは名刺を渡しただけでもアウトになるわけですが、この法律の影響で、ヤクザが普通の人のような外見になってしまった、そのせいで相手がヤクザだと知らずに因縁をつけてしまう事件が続出、という話が面白い。

昔のようにヤクザが一目でヤクザだとわかる格好をしてもらったほうが間違いが起きない
(pp.197-198)

見た目が普通のサラリーマンでも、ヤクザ相手に喧嘩になったら絶対に勝てませんからね。

交渉術としては、有利なところだけで攻めて、不利な話には持ち込まない、という当たり前の方法がこれも徹底しているようです。

かつて関西には強者の大物組長がいて、およそ二対八ぐらいで立場が悪い状況でも、掛け合いでは八の非を詫びるどころか、二のほうの正当性を強硬に押し通すのがつねだったという。
(p.16)

ソフト開発の場合、動いているところだけデモするという技がありますね。

 

ヤクザに学ぶ交渉術
山平 重樹 著
幻冬舎アウトロー文庫
ISBN: 978-4344403123