Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

小説 天気の子

今日は前から読もうと思っていた「天気の子」を読み終えました。これはまだ映画上映中でしたっけ、ネタバレにならないように、内容は書かないことにしましょう。

主人公は森嶋穂高。ヒロインの天気の子は天野陽菜。基本はこの2人のドタバタです。予告編では空を飛ぶシーンがあります。天気の子は Weathering With You という英題になっていますが、日本語の天気というのは単に Weather ではなく、天と気、sky  と air のイメージですから、漢字から無意識に妄想して空を飛ぶイメージに繋がっていくのはかなり自然なことなんですよね。作品中では、天気を次のように説明しています。

「そもそも天気とは天の気分」
(p.141)

日本は自然神の国ですから、天というのは神様のことになります。その気分が天気だというのは、民話にもよく出てくるモチーフです。神様となれば、必然的にこの人の出番となります。

それでも、天と人を結ぶ細ぉーい糸がある。それが天気の巫女だ。
(p.142)

これは神主さんの言葉なのですが、新海監督は糸が好きなようですね。これも和風といえば和風なことです。ところで、

「――一泊二万ハ千円ね」
(p.193)

これ、場末のラブホテルだそうですが、高くないですかね。3人部屋にしては高いような気がします。かなり広い部屋なんでしょうか。

まだ映画も見ていないので、そろそろ見に行った方がいいかなと思っています。最後にちょっといい一言を紹介します。穂高を雇ってくれていた須賀さんの言葉。

いいか、若い奴は勘違いしているけど、自分の内側なんかだらだら眺めててもそこにはなんにもねえの。大事なことはぜんぶ外側にあるの。
(pp.284-285)

 

小説 天気の子
新海 誠 著
角川文庫
ISBN: 978-4041026403