Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

愚物語

もうそろそろちゃんと書いておかないと忘れてしまいそうなので、愚物語、いきます。昨日は愚者語だとコメントしましたが、まあそういう話で間違いないです。

1話目は「そだちフィアスコ」、老倉育メインの話です。

私にも、そんな風に変わるチャンスがあったのだろうか? ならば私は何回、それを逃してきたのかな。
(p.32)

そんな風というのは、阿良々木が戦場ヶ原を変えたというのですが、ひたぎさんって本当に変わったのですかね。重みは増したようですが。

ストーリーはだいたい昨日紹介したので合っているはずなので省略します。4桁の数字のパスワードを一瞬でクリアするのは流石ですが、ヒントがあれば案外簡単なのかもしれませんね。ちなみに私のスマホはアレにしてあります。

2作目は「するがボーンヘッド」、神原駿河メインの話です。サブで忍野扇がちょっかいを出します。猿の手も出てきます。なぜ今頃?

自分が発見したと思ったのが実は既に発見されていたというのが、

「ああ、それなら『車輪の再発明』ですね」
(p.216)

車輪の再発明は、プログラマーの世界ではよく使われる言い回しですね。そろそろ新しい機能を持った車輪が発明されてもいいような気もしますけどね。この作品は神原のボケが今まで通り光っています。

3作目は「つきひアンドゥ」、阿良々木月火メインです。ドタバタ話です。サブは斧乃木余接。月火ちゃんが容赦なく攻めるタイプなので、死体の斧乃木ちゃんも生きた心地がしません。斧乃木ちゃんは人形のふりをしていましたが生きた死体であることがバレてしまったので魔法少女のふりをして誤魔化そうとします。撫子ちゃんも登場します。今回は全員ちゃん付けです。斧乃木ちゃんは撫子ちゃんに蛞蝓(なめくじ)の絵を描くように依頼するのですが、

「い、いや、結構難しいよ? つるんとしているから難しいよ?」
(p.260)

ナメゴンみたいな感じ? この後、本当にナメゴンみたいなのが出現して大騒ぎになります。最後は八九寺真宵ちゃんまで出てきて事態を収拾します。撫子ちゃんの次のセリフはなかなか意味深でした。

「世の中が甘くないことが、とても嬉しい」
(p.263)

シリーズを無視してこの一冊を最初に手にした人には何の話かさっぱり分からない一冊です。

愚物語
西尾 維新 著
VOFAN
講談社BOX
ISBN: 978-4062838894