Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上

今日は久しぶりに、浜村渚シリーズで、5さつ目「鳴くよウグイス平面上」です。1つ目の短編「log 10『遊星よりの問題X』」は魔法陣。UFOキャッチャーで魔法陣を作るというのは斬新ですけど、私だとUFOキャッチャーが下手なので一撃で挫折しそうです。

2つ目の短編「log100. 鳩の巣が足りなくても」は鳩の巣原理がネタです。鳩の巣原理ってどこで習いました? 最近の小学生は知っているようですが、私は習った記憶がありません。

用意されている巣箱は4つ、鳩は5羽。鳩の数のほうが多いんで、少なくとも1つの巣箱には、2羽以上の鳩が入らなければなりません
(p.141)

ま、考えてみると凄く当たり前のことなのですが。

3つ目の短編「log1000. 『パップス・ギュルダン荘の秘密』」はもちろんパップス・ギュルダンの定理がネタになっています。これは回転体の体積が、

(回転する図形の面積)×(その図形の重心が一回転した距離)
(p.187)

この定理は知っていても大学入試の解答に使ってはいけないことでも有名ですね。

4つ目の短編「log10000. 『京都、別れの二次関数』」は、タイトルのまんまで二次関数です。判別式とか出てきます。京都なので京都系のアイテムも出てきます。

有原の遺体の周囲には、土にまみれた堀川ごぼうが二十本ほど散らばっていたのである。
(p.265)

堀川ごぼうと言われてもピンと来ないですけど、烏丸御池とか寺町通とか、知っている人は知っている地名が出てくるので、親しみやすい…かというと、流石にいくら京都が縦横整っているといってもグラフを想像するのはちょっと難しいです。

 

浜村渚の計算ノート 5さつめ 鳴くよウグイス、平面上
青柳 碧人 著
講談社文庫
ISBN: 978-4062777766