Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

阿修羅ガール

今日も殆ど本は読んでいないのですが、これまだ紹介してなかったですよね。ということで書いておきます。阿修羅ガール

阿修羅ガールというよりも修羅場ガールみたいな感じです。基本的にはネット時代のストーリー。何の関係もない人達がネットで呼びかけて集団行動をする、というのは一時期流行ったような気がしますが、何かの妄想だったのかもしれません。仮面被ったりしてね。ていうか今でもあるのか?

ネットの世界なんかにホントのことを書くのが間違ってるのだ。ホントの願い事なんて、ネットの世界なんかには絶対に書いちゃ駄目なのだ。無駄に終わって当たり前なのだ。
(p.91)

今時の人、ていうか昔の人もよくやった失敗は、ネットを見ているのが身内だけだという大誤解をしてしまうこと。迷惑動画のような、全世界に拡散することを期待してアゲているのは別だと思いますが、この全世界に、というのがどうも分かっていない。思わぬ人に見られてからアタフタするのは滑稽な話です。

あるいは、一瞬公開してすぐに削除しても、どこかに保存されていたら最後、いつまでも残ってしまうというのも分かっていない人が多いような気がします。昔、パソコン通信という謎のサービスがあった頃も、削除したって公開したという事実は消えないんですよ、という警告を何度したことか。いや、そんなにしてないか。

だからネットに本当のことは書かない、とはいっても、ネットに fake を書いたのがリアルにバレるというのも結構みっともないですよね。サブ垢のつもりで投稿したらメインのアカウントだったとか。私はサブ垢は基本的に全く使っていないので、そういう失敗はしません。じゃあ何でサブ垢持っているんだ、というのは謎。

第二部で愛子がサンズの川【謎】か何だか知らないけどあの世とこの世の中間地帯に迷い込んでいる時に陽治(ヨウジって名前どんだけあるんだよ…変換するのが大変だったよ)に好きかって聞いて

友達じゃ駄目?
(p.207)

と言われてこの世から逃げ出す決心をするあたりのテンポはなかなかよかったと思います。これに続く「森」と「グルグル魔人」はちょっと付いていくのが大変というか。少しズレているような気がしました。やるならやるで徹底的にやればいいのに、という感じでモヤっとしました。

 

阿修羅ガール
舞城 王太郎 著
新潮文庫
ISBN: 978-4101186313