Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

怪盗探偵山猫 月下の三猿

いつまでも先延ばしにしているわけにはいかない、ということで今日は猿です。月下の三猿。舞台はもちろん下北沢ですが、

新宿のゴールデン街に、〈エリー〉というバーがあります。
(p.108)

今回は中国マフィアとか出てくるので、やはり新宿が似合うのでしょうか。もう一つ出てくるのが怪しげな宗教団体「道仙教協会」ですが、

狛江市に拠点を構えている
(p.122)

狛江市というのは、小田急線の駅でいえば、先日紹介した和泉多摩川の一つ手前の駅が狛江です。あのあたりですね。和泉多摩川に比べると随分町らしい町でした。もっとも、私の知っているのは随分昔のことですから、今はどうなっているのか妄想もできません。

もう一つ、これはメジャーな街ですが、

みのりは、秋葉原駅の電気街口の改札を抜ける。
(p.168)

電気街口の改札って確かヘンな所にあったような気がするのですが、デパート口だったかな。これも昔の話です。まだ秋葉原といえばジャンク屋だった頃、何となくいろいろパーツを見るだけのために出かけたものです。

みのりはヤクザの娘で、変に任侠道をマスターしているようです。今回も、女怪盗のような活躍をします。盗みに入るわけではないですけどね。

ところで、これは一体どこだと思いますか?

日本で、もっともセキュリティーが厳重な場所だ
(p.221)

Answer は「警察」なのですが、それってちょっと現実と違わないでしょうか。警察で保管しているはずのものが紛失したとか盗まれたとか、いろいろ事件があったような気もするのですが、しかし国家権力を敵にすると、ちょっとしたスクリプトを公開しただけで逮捕されそうな気がしてきましたから、この話、やめておきましょう。

ということで、今回はストーリーはまるっきり無視で何も紹介していませんが、個人的にはこの話は結構お気に入りなんです。というのは以前書きましたっけ。

最後は山猫のいい言葉でシメましょう。

「失敗することを前提にしている奴は、必ずミスするんだよ」
(p.229)

 

怪盗探偵山猫 月下の三猿
神永 学 著
角川文庫
ISBN: 978-4041070147