Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

怪盗探偵山猫 虚像のウロボロス

スマホでこのサイトを確認してみたのですが、何か雑記が続きすぎていますね、まあそれなりの忙しさだったのでしょうがない。で、今日も山猫で行きましょう。2冊目は「虚像のウロボロス」というサブタイトルが付いています。

ウロボロスというのはネバーエンディングストーリー、果てしない物語にも出てきましたっけ、二匹の蛇がお互いのシッポから飲み込むと消滅してしまう、というアレです。この話とウロボロスの関連は随所で紹介されているので伏せておきます。昨日は小田急沿線の話に終始したので、今日は登場人物を紹介してみます。

まず昨日も紹介した勝村。ライターです。

勝村が書いたのは〈魔王〉を名乗るハッカーに関する記事だ。
(p.34)

魔王というのはどこかで聞いたような名前ですが、この話では中学生のハッカーです。勝村はこの魔王に偶然踊らされてしまうんですね。殺人犯という濡れ衣を着せられて猛烈に踊ることになります。

次は刑事の霧島さくらさん。

さくらは、木刀を持った男の股間に、膝蹴りを喰らわす。
(p.278)

これが得意技のようです。しかし霧島といい魔王といい、焼酎系の名前が多いですね。そういえば、山ねこという焼酎もあった。

余談はさておき、今回、さくらは狂犬と呼ばれている刑事、犬井と行動します。しかし犬井は協力して捜査するつもりは全くありません。

「お前は餌だ」
「餌?」
「勝村をおびき寄せるための餌だ」
(p.155)

さくらと勝村は親友【謎】なので、勝村を捕まえるにはさくらをエサにして泳がせるのが得策と踏んだわけです。この犬井、個人的には映画「人間の証明」に出てきた松田勇作演じる棟居刑事ですね。あるいはダーティーハリーとか。とにかく無茶します。そしに人間を信用しないのが、私と同じです。

「おれは、誰も信じない」
(p.245)

私の場合、まず自分が信用できませんからね。自分が信用できないのに他人を信用していいのか、という論理になってしまうのです。

あとは山猫ですが、主役を今更紹介する必要もなさそうなので省略します。山猫は個人的には木枯らし紋次郎のイメージなんです。関わりがないといいつつ何だかんだ言って関わってしまう。でも山猫は慎重派です。こんなことを言います。

プランが一つ失敗したら、それで手詰まりなんてのは、バカのやることだ
(p.224)

ま、その程度で慎重派といっていいのかと言われたら、確かにそれほどでもないですか。コンサルはまずプランを3つ用意する、というのが常識でしたっけ。

 

怪盗探偵山猫 虚像のウロボロス
神永 学 著
鈴木 康士 イラスト
角川文庫
ISBN: 978-4041015940