今日もグダグダが続いているため雑記です。読んでいるのはちょっとした隙間時間に零戦開発物語、やっと零戦が登場したあたりの所ですが、その少し前に面白い記述がありました。昭和13年8月というから、日中戦争でまさにグダグダになっている頃の話です。著者の小福田さんの部下が敵地に不時着してしまったのです。中国は広いですから、敵地といっても、
かならずしもそこに敵がいるわけではないが、味方が占領しているのでもない。
(pp.146-147)
という状況ですが、とにかく揚子江を船でのぼって助けに行って、不時着した九六式艦戦を見つけると、
そのちかくでは少数の中国農民が人のよさそうな顔をして、不時着パイロットといっしょに畑に腰をおろして、のんびりとわれわれを待っていた。
(p.147)
今みたいにスマホでニュースがリアルタイムで入ってくる時代ではありませんから、農民は戦争がどうなっているとか関心がなかったのかもしれません。飛行機が修理して飛んでいくのを手を振って見送ってくれたといいます。国と国は激戦中でも、現地の住民はそんなものだったのです。