Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編

魔法科高校の劣等生23巻、「孤立編」です。達也がトーラス・シルバーであることがバレてしまって困りましたねぇ、というのが本巻のざっくり要約になります。

今回、国防陸軍情報部が暴走して達也を襲撃します。これはあっさり返り討ちになりますが、他の集団がそれなりにマトモなのに、情報部が情報に頼らずデタラメな論理と妄想で行動するというのは腑に落ちないシナリオで不可思議です。もっとも、現実の組織ってそういうものなのかもしれませんが。

全面戦争を前に、深雪が達也の封印を解いて100%の実力で戦えるようにするシーンがありますが、その手順が不必要にエロい(笑)です。なぜ純度の高い水がいるのか、

純粋な物質を取り入れることで、心身の純度を高める
(p.222)

そういわれても、口の中に入れた瞬間に不純物大混在で意味がないでしょう。もしかして口中を無菌状態にする魔法があるのかもしれませんが。

達也と克人のバトルはこれも当然のように達也の勝利になりますが、勝った後に焼け切った腕を復活させてやります。親切なのです。克人は達也が本気を出したら日本消滅できるレベルの魔法が使えるなんて知らないから本気で勝負しているつもりですが、達也としては迷惑な話なんですよね。本人には感情が殆どないので、機械的に処理してしまうようですが。

伏線として出てくる「ディオーネ計画」の裏の意図を、達也は

地球上から自分たちの邪魔になる魔法師を追放すること
(p.262)

と見切っていますが、軍事バランスが取れているところにそのような強硬手段をとったらどこかの国が地上征服して物語終了になりそうな気がします。そういうストーリーも面白いのかもしれませんが、このままだと「地球へ」のように能力者vs非能力者のバトルになってしまいそうです。


魔法科高校の劣等生(23) 孤立編
電撃文庫
佐島 勤 著
石田 可奈 イラスト
ISBN: 978-4048932813