Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

君の膵臓を食べたい

今日はもうかなり前に読んだような気もしていますが「君の膵臓を食べたい」を紹介します。

残念ながらアニメは見ていません。なぜ膵臓を食べたいのか、という話は本編に次のような説明があります。

昔の人はどこか悪いところがあると、他の動物のその部分を食べたんだって
(p.6)

なお、ページ数は単行本です。熊の肝が薬になるというのは、そのような信仰もあるのでしょうか。ヒロインの名前は桜良。膵臓に病気があり、治らないために余命宣言されています。昔の少女漫画にはそういったストーリーがわんさかあったような気がしますが、最近は少女漫画を読まなくなったのでよく分かりません。

で、膵臓を食べる話ですが、

人に食べてもらうと魂がその人の中で生き続けるという信仰も外国にあるらしいよ
(p.29)

日本には、とあら地域には死者の骨を食べるという風習があったそうです。という話を何かの漫画で昔読んだような記憶があります。

先日紹介した本には、人間は皆死刑囚、という言葉が出てきました。死ぬまでにやっておきたいことがある人は案外いるのではないでしょうか。

でも今、それをやってないじゃん。私も君も、もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。
(p.13)

そこに気付いている人は殆どいないような気がします。誰でも明日突然死ぬかもしれないのです。もっと長い目で見れば、

ぼくだって、近い将来彼女が死ぬみたいに、いつか絶対死ぬ。
(p.13)

ということになります。若い頃はそれに対して無防備なんですよね。平均寿命が80歳とかいわれたら、あと何十年も生きていられると錯覚してしまう。しかしそんな保証はどこにもありません。

死に直面してよかったことは、それだね。毎日、生きてるって思って生きるようになった
(p.56)

しかし、実際のところ、すべての人は死に直面しているのです。だから、桜良は、

どうせ君も死ぬんだよ。天国で会おうよ
(p.67)

のようなことを言います。天国に行けるというのは決定事項なんですね。そこは新鮮です。キリスト教だと、天国に行ける人は選ばれた人だけなのです。人数が決まっていて、定員に入れなかったらアウトなのです。

今日はここで一旦切ります。

(つづく)


君の膵臓をたべたい
住野 よる 著
双葉文庫
ISBN: 978-4575519945