そろそろ書いておかないと雑記ばかりでマズいと思ったので頑張ります、魔法科高校の劣等生SS、つまり short stories ですね。
1つ目の短編は竜神の虜。幹比古メインのストーリーです。竜神を召喚しようとして失敗したというエピソードは今までの作品で何度も出てきますが、その詳細が書かれています。時系列的には二年生の九校戦で回想している、ということになっていますが、幹比古が試合前に闘志が自然に湧いてくるというのに対して、エリカが、
本当の意味で心気が充実していなければ、そうはなれない
(p.39)
幹比古は登場当時は逃げ腰キャラだったので、進化したわけです。もちろん試合に勝ちますが、達也の作戦も理にかなっています。
敵の行動を予測し、それに対策をたてる
(pp.73-74)
原因を理解して対策する、というのは問題解決の基本ですね。
2つ目の作品は「ショットガン」。ジョージこと吉祥寺がコケにされる話。
勝負は実際の競技が始まる前からスタートしている。
(p.80)
事前の準備が重要なんですよね。居合の勝負は鞘のうちに勝負が決まるとか。
3つ目は「一人でできるのに」。花音と雫がメインなのかな、アイス・ピラーズ・ブレイクという氷柱破壊の試合です。12本の柱を先に全部倒した方が勝ちというルールに対して、達也は8本を最初から捨てて残り4本を守るという作戦を指示します。一点集中で強化するのと、全体的に強化して全部難しくするのと、どっちが効率的なんでしょうね。今回は特殊な事情があってそうしたわけですが。
4つ目は「目立とうミッション」。黒羽文弥と亜夜子がメインです。普段は隠密活動を仕事にしている二人ですが、九校戦で全力を出せという奇妙なミッションが与えられます。隠密なのに目立っていいのかな、というと、
貴女たちが本気を出せば、去年の深雪さんや達也さんに負けず劣らず人目を引く
(p.175)
ということで、要するに深雪と達也を目立たせないための囮なんですね。で、亜夜子が、
「これは仕方がない」
(p.221)
と達也に言わせるほどの大暴れをします。
5つ目は「薔薇の誘惑」。西城レオンハルトと千葉エリカがメインの話です。ドイツからチョイ役の敵が来ますが、結果的には全然この二人の敵ではなかったです。何かだんだんエリカの性格が暗くなっていくような気がするのがちょっと気になりますね。