Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

魔法科高校の劣等生 (20) 南海騒擾編

魔法科高校の劣等生、20巻は南海騒擾編。舞台は沖縄。久米島の近くに人工島を作った完成記念パーティに敵対勢力が攻撃を仕掛けてきます。

今回、以前は敵として戦った陳祥山が仲間として共同作戦にあたります。利害関係が一致すれば、昨日の敵は今日の友というわけで、さらにはかつての強敵、呂剛虎まで仲間として戦います。この呂剛虎、メチャ強いから頼もしい、

練度という点では次元が違うと言えるくらい、高い。
(p.237)

ということで並の戦士では相手になりません。テクニカルな能力ではなく拳法系のバトルを得意とするので、この戦闘シーンをアニメ化すれば迫力満点になるでしょう。

ストーリーは工作員の阻止ということになりますが、達也と美雪が四葉家の一員として公表された後のパーティのシーンもなかなか微妙な面白さがあります。高校のレギュラーメンバーも活躍しまくります。達也の先輩達も協力する、というよりもむしろ好き勝手に暴れまくります。本来、戦闘地域に民間人を入れてはいけないらしいのですが、

公式には、現在、その海域で戦闘行為は行われていない
(p.234)

戦闘地域ではないし、海上だから誰でもそこにいて構わない、という無茶な理屈のようです。実際は戦闘が行われていても、極秘行動なので仕方ないですね。

今回、いつもは地味なあずさが活躍します。

情動干渉魔法『梓弓』。
(p.258)

他人の精神に干渉するというのは実世界でやられたら反則っぽいですが、小説の中ではこれは興味を引く要素です。できないことができるというのが小説の醍醐味ですからね。

達也は風間少佐と行動しますが、妙に息が合っている。

阿吽の呼吸を体得する機会は無かったはずだが、言葉を介さずに意志を交わすことができているのは師匠の影響で思考様態の一部に類似した傾向が形成されているからか。
(p.170)

同じ師匠に教わったので思考パターンがわかる、というのは確かにありそうな気がしますね。


魔法科高校の劣等生 (20) 南海騒擾編
佐島勤
石田可奈 イラスト
電撃文庫
ISBN: 978-4048923187