今日はお盆の頃に読んでいた本で、メモ的なのが新しいpcに書き残されていたので、そちらを紹介する。
ベトナム帰還兵達がロスのダウンタウンで大仕事を企むストーリー。連続殺人事件に刑事のスペイスマン、ブルーが挑む。しかし微妙にやる気があるのかないのか謎。しかし、とにかくベトナムである。
おれはときどき、おれたちはみんな、あそこで死んだんだと思うことがある。おれたちはみんな、死んだんだ。だが、だれかが血迷って、おれたちに言うのを忘れたんだ。だから今、生きてるふりして、幽霊みたいにうろうろ歩き回ってるんだ。
(p.83)
あそこというのはベトナムの戦場。アカギの言う「死線をくぐる」という感覚なのだろうか。
男というものは自分がいちばん得意とすることをしたいもんじゃないか
(p.125)
ラースの言葉。ラースはベトナムで成果を上げた。つまり、得意とすることというのは戦争なのだ。このシーンでは戦友のデヴリンと話をしている。デヴリンは昔戦ったということを言っているが、ラースは今も戦場だという。ちなみにその戦場というのはマフィアを相手にダイヤモンドを掠め取るというものだから、比喩でも何でもない、マジで戦場だ。
人生そのものが戦場だというのは、ラースに限ったことでもないだろう。戦いのレベルはいろいろありそうだが、結局、人生は戦いだ。
おれが何をしようと、何もしなくとも、いずれは死ぬんだ。遅かれ早かれ、な
(p.233)
致命傷を負ったときも、
「おれの手に……銃を持たせてくれ。た……の……む」
(p.308)
死ぬときも兵士でありたいということか。武士が刀を持ったまま死にたいという話を聞いたことがあるが、それと同じ感覚かもしれない。
リトル・サイゴンの弾痕
テリー ホワイト 著
橘 雅子 翻訳
文春文庫
ISBN: 978-4167275778