Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

まほろ駅前狂騒曲

今日は読み終わったので、多田便利軒シリーズ3作目。映画になったらしい。

タイトルと同名の長編「まほろ駅前狂騒曲」と、短編「サンタとトナカイはいい相棒」が収録されている。今回もレギュラーの皆さんがドタバタする中で、結構普通に活躍するのが、

悪評なんて、いくらでも作ることができます
(p.124)

いつもいい仕事をする星さんの言葉。まあでもその前に真実を確認するという慎重派でもある。ヤクザかと思っていたのだが、ヤクザとの連絡役みたいな立ち位置で、ヤクザではないんですね。情報が命の商売って感じで情報収集力はピカ一。判断力も素晴らしい。

便利屋は放っておいても大丈夫だ。なにしろ、厄介事に巻きこまれるのが仕事みたいなやつだからな
(p.299)

便利屋に頼んだちょっとした案件で面が割れてしまったので心配した方がいいんじゃないか、という流れで、まあでもアイツらは大丈夫だろうという場面。いや、大丈夫じゃないのだが大丈夫だろう、という感じで。今回の狂騒曲は完全にドタバタで、子供が超絶苦手な行天がいるところに子供を預かるというだけでも波乱しか予想できないのだが、そこに健康食材とか宗教が絡んでくるからわけが分からない。しかし行天さん、子供が苦手という割には小学生とは案外仲良くやっているのが不思議だ。


まほろ駅前狂騒曲
文春文庫
三浦 しをん 著
ISBN: 978-4167909185