Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

まほろ駅前番外地

いやまあ日記があまりにも重いのでちょっとリラックスした感じで割り込ませてもらいます、三浦しをんさんの「まほろ駅前番外地」。先日紹介した本の続編です。

短編が7つ入っています。微妙に前作と関連付けられていますが、単独で読んでも面白いのは流石、というようなことが巻末の「解説」に書いてありました。ま、その通りです。

相変わらず行天春彦の仰天ぶりが凄いです。舌切り雀のつづらの話では、

俺だったら、ガラクタをとりあえず風呂敷に移してから、ひとを試すようなまねをする雀を一羽一羽、絞め殺す
(p.16)

その後、焼き鳥にして食ってしまうというのですが、何か美味そうですな。ていうか発想がおかしいでしょ。AKB48の大家さんに匹敵するズレた発想です。大家さんって先週だかのオールナイトニッポンで、40日の大型連休がもらえたら骨折するというわけがわからない夢を話していたのですが、ま、関係ないですね。

話を戻すと、この本の中では「星良一の優雅な日常」が秀逸だと思います。これだけ何度か読み直した程です。星というのはいわゆるその筋の人です。危ないです。ちょっとヤバいことをしている時に便利屋から電話がかかってきて、いきなりこんなことを言う。

「ここが終わったらすぐ貴様の眼球にも錐突き立てにいってやるからちょっと待ってろぉ!」
(pp.84-85)

そんなこと言われて待ってる人もいないと思いますが、この話、優雅なところがまるでないから面白いわけです。ざっくり言えば猫を飼う話なんですけどね。

 

まほろ駅前番外地
三浦 しをん 著
文春文庫
ISBN: 978-4167761028