Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

「頭がよい」って何だろう―名作パズル、ひらめきクイズで探る

今日の本は『「頭がよい」って何だろう』。ひたぎさんは勉強できる人は勉強する前から頭がいいとか言ってたような気もしたが。

この本はIQの話から入ってくるから、IQを頭の良さの指標の一つと考えていることになるが、それだけに限らず、他の要素についてもいろいろ考察している。いずれにしても頭の良さを単なる「物知り」と考えていないことは間違いない。

子どもの頃あれほどパズルに熱中したのに、どうして大人になるとほとんどの人が興味を失ってしまうのだろう。答えは「分別がつく」からである。
(p.73)

考えなくてもいろいろ出来るようになると、考えることが面白くなくなるとか、そういう傾向は確かにあるかもしれない。「わからない」が「わかる」に変わるところに面白さがあるとすれば、「わかる」が増えれば増えるほど面白いことは少なくなっていく。

天才と呼ばれた人の中には学校の成績が悪かった人が多いことも紹介している。成績とは関係ないが、ファラデーのこのエピソードは知らなかった。

彼が侵食も忘れて電磁気の実験に没頭しているのを見て、「いったいそんなことがなんの役に立つのかしら?」といった女性がいた。それに対して、ファラデーは「奥さん、生まれたばかりの赤ん坊はなんの役に立つでしょうか?」と答えたという。
(p.96)

ちなみに赤ん坊は癒し効果がばつぐんだ。

後半にはチューリングテストやフォークト・カンプフ検査の話題も出てくる。人工知能は知能テストの夢を見るか。

 

「頭がよい」って何だろう―名作パズル、ひらめきクイズで探る
集英社新書
植島 啓司 著
ISBN: 978-4087202076