11月28日に紹介した「蒼路の旅人」の続きになります。真打のバルサ登場で、俄然盛り上がります。ちなみにドラマ見てます?
前作に出てきた密偵のヒュウゴとバルサがひょんなきっかけで出会って、チャグムを探してアタフタします。お互い本来は敵のはずなのですが義理人情的な理由もあって助け合うことになります。バルサはとしては、
あの子が幸せに生きられるなら、それでいいんだ
(p.217)
一方ヒュウゴは、
おれも、あの方には幸せになってほしい。
(p.218)
利害関係は一致しているわけですね。
バルサはチュグムの情報を得るためにカシャルという集団の頭領に会いにいきます。バルサはいろいろ問い詰められますが、重要なところはうまく隠して正直に答えます。
……この人は、だいたい、ほんとうのことをいってるようだ。隠していることもあるようだが、まあ、だいたいは、ほんとうのことだろう。
(p.255)
何でもベラベラ喋るものではありません。貝木泥舟もそういうことを言ってたような。
この巻はバトルシーンもかなりあります。しかも結構ギリギリという感じです。
そこが出口だ。走れ
(p.142)
「百億の昼と千億の夜」に似たシーンがあったような気が。
天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編
上橋 菜穂子 著
新潮文庫
ISBN: 978-4101302805