Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

日本はこうして世界から信頼される国となった (2)

昨日紹介した本について、他の章も紹介しておこう。各章には逸話があって、それに沿って日本人論が展開される構成になっている。

第1章は、1985年のイラン・イラク戦争でトルコが日本人のための救援機を出した話。昔、モーニングにこの話のマンガが出ていたことがある。 第2章の日露戦争は武士道の話。

第3章のダットサンが企業あるあるで面白い。日本の自動車産業が大発展した理由として、

戦後、連合国側には、日本には絶対に近代工業を再開させないという意志があり、航空機の生産と研究は全面的に禁止され、自動車の生産すら制限された。
(p.67)

この状態から、

飛行機製造が全廃されたことにより飛行機で腕を磨いたエンジニアが多く入ってきている。
(p.68)

これはトヨタ自動車豊田喜一郎氏の言葉で、飛行機業界からスゴ腕エンジニアが自動車業界に転職してきたことを言っている。この時点で自動車後進国だった日本が、2017年の今現在こんな感じになって、アメリカの自動車産業が衰退したのだから、世の中分からない。

第4章は赤穂浪士

第5章はペリー来航だ。ペリーは日本に何をしに来たのかは、学校で習ったかな。もちろん私は習ったし、その時かなり仰天したので今でも忘れていないのだか、それについては今回はパスする。とにかくペリーは軍艦で日本にやって来て、こう言った。

「大統領からの国書を受け取らないのなら武力攻撃をする。負けた後、和睦を要請する時は、この2旒の白旗を掲げよ」
(p.112)

この種のやり方は、第二次世界大戦が終わった後まで続くことになるが、とにかくこれで日本は大騒ぎになって、結論として日米通商条約を締結することになった。その後、アメリカは日本を侵略して植民地にする予定だったはずである。ところが日本には神様がいたらしくて、アメリカでは南北戦争が始まってしまう。

強引な開国を迫ったアメリカだったが、この南北戦争によって、遠い日本の侵略どころではなくなっていた。
(p.115)

その間にイギリスが戦争しかけてくるし、フランスも一枚噛んでくるし、ぐちゃぐちゃの中よく侵略されなかったな、というのがこの章の話である。

 

日本はこうして世界から信頼される国となった: わが子へ伝えたい11の歴史
佐藤 芳直 著
小学館文庫プレジデントセレクト
ISBN: 978-4094700190