今日は「世界の中心で愛を叫んだけもの」を少し読み直したのだが、うまくまとまらない。書評はまた明日にしたいのだが、途中まで書いておく。
作者のハーラン・エリスン氏はこの本のまえがきで、
「世界の中心で愛を叫んだけもの」のような小説を書いたがため、また『危険なヴィジョン』のようなアンソロジイ小説を編んだがため、ぼくもこのどうしようもなく人工的な袋小路に押し込められた作家のひとりである。
(p.9)
このように自己紹介している。「世界の中心で愛を叫んだけもの」の最初にでてくる無差別大量殺人の reason をこの小説はコントロール不可能な別次元のモノとして描こうとしているようだが、どうもそこがよく分からない。背景にあるものは宗教的なような気もすれば、科学的・理論的な必然であると主張したいようにも見えるし、あるいは偶然だといいたいような気もしてくる。
世界の中心で愛を叫んだけもの
ハーラン・エリスン 著
浅倉 久志、伊藤典夫 訳
ハヤカワ文庫
ISBN: 978-4150103309