Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

夜桜乙女捕物帳 鉄火牡丹

夜桜乙女捕物帳シリーズの2作目だと思います。1作目も読んでいるはずなのですが、探しても出てきません。 このシリーズは本格時代小説…というよりは、主人公の乙女が超能力者なのです。少し反則っぽいところがいいです。

この本は、鉄火牡丹、闇の梯子、悪女は嗤う、お役者小僧、の4つの話が入っています。 鉄火牡丹というとマグロ丼とか出てきそうですが、鉄火場は賭場のこと。バクチの話かと思ったら、おしまさんの話。スリって鬼平にも出てきたような気がするが覚えてません。 闇の梯子って何だろ、と思ったらこの話は鉄火場から話が始まります。 途中の右近の言葉がなかなか深い。

人に油断を与えぬ男というものは、どこかで無理をしている。
(p.99)

穿った見方ですな。 悪女は嗤うは、伊佐山さんがアタフタする話。大悪党が牢屋に入れられたときに牢名主をぶちのめして新名主になるシーンが圧巻です。 この大悪党が女を人質にとってまんまと脱獄するのですが、手引きした伊佐山は遠山の金さんにぶん殴られてこれにて一件落着、って甘くね?

お役者小僧は、盗品オークションのシーンから始まるというのはなかなかリアルで面白いと思いました。 今もネットとかでありそうですな。


夜桜乙女捕物帳 鉄火牡丹
和久田 正明 著
学研M文庫
ISBN: 978-4059008224