Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

脳を活かす勉強法

勉強法を解説した本は恐ろしくたくさんありますが、これはアハ体験で有名な茂木さんの書いた本です。

なお、今回、ページ数は単行本のページです。文庫本も出ていますが、もしかしたらページが違うかもしれません。予めご了承ください。

内容が茂木的で面白いです。キーワードはドーパミンフロー状態モダリティ、ってとこかな。脳科学的な薀蓄で攻めて来るから知らない人には説得力があります。

苦しければ苦しいほど、その後の喜びは大きく、より強化される。
(p.31)

素人がこういうことを言っても相手にされないけど、茂木先生が仰るのならそうなのかも、とか思うでしょ。Yahoo! 知恵袋でよく「受験勉強が苦痛です、どうしたらいいですか」のような質問があるので、私は「限界を超えたらそれが快感になります」のような回答を書きます。この根拠が、先に引用したあたりです。根拠になってますかね。

さっき「知らない人には」と書いたのは、数値的な検証データが出てこないからです。専門家は数字を確認しないと納得できないのですよ。私は専門家じゃないけどね。そういう意味では微妙な本ですけど、普通は数字を出されても理解できないから、こういう本に数字を出さないのは当然でしょう。

林先生もそうなんですが、このレベルの人達は多読者が多いですね。本大好き人間。茂木先生は小学5年生のとき、

年間に二〇〇冊といった量を平気で読んでいました。
(p.101)

だそうです。明智小五郎やホームズは読破したそうですが、推理小説って読解力を上げる裏技なんですよね。読解力ないと犯人が分からないから。

これも東大合格法みたいな本によく出てくるネタですが、茂木さんは教科書丸暗記派のようです。

高校時代、定期試験の前になると僕は教科書を全文丸暗記するようにしていました。
(p.82)

「超」整理法の野口悠紀雄さんは英語の教科書を丸暗記したそうですが、茂木さんの場合は定期テストの前にカードを作って対策したそうです。カードを作るのもコツがある、ていうか、カードを作るのも勉強なのです。

カードをつくる時に自分の手で書きながら覚えるため、記憶効率が高まる
(p.84)

手で書くと手を動かすから脳が活性化する、みたいな話がこの後書いてありますが、もっと重要なのは、書くときに覚えるということ。カードを自分で作れば、書くことも勉強になります。最近は出来合いの単語カードもあるようですが、学習効果が半減しそうですね。

また、茂木さんは、インターネットがあれば大学は不要と主張します。

勉強したいという気持ちがあるなら、大学に行く必要などありません。そのくらい膨大な知識が、インターネット上にはあるのです。
(p.112)

もともとインターネットってそういう用途を想定していたはずですが、論文見るためにインターネット使う人ってどれ位いるのでしょうか。YouTube 利用者の1万分の1とか? それ位はいますかね。

もちろん大学にはインターネットでは代替できないような役割もありますが、インターネットで十分な要素が猛烈に多いのも事実です。放送大学なんてのも、全部 YouTube で無料公開すればいいのにと思うのは、私だけなのでしょうか。


脳を活かす勉強法
茂木健一郎
PHP研究所
ISBN: 978-4-569-69679-9
ISBN: 978-4569675091 (PHP文庫)