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Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

電波オデッセイ 1

ある意味無茶苦茶なマンガばかり描いている永野のりこさんの問題作というかある意味スゴいところに踏み込んで引き返せなくなってしまったような作品。1巻は若山牧水の有名な歌が出てくる。最初はこんなの。

「白い鳥がぁー
青い空と青い海のー
あいだでウイちゃってて
かなしいねっ」とか
ゆーや
(p.52)

 出てくるキャラが全員ヘンな爆弾を抱えていて、このマンガで一番フツーそうに見えていて「知らねーよ」とか言ってるキタモリが案外かなり壊れているような気もするのだが、それはさておき、このマンガには鳥がこの後どうしたのか考えてみたというシーンがある。

飛んでいったん
だよ

青い空と
青い海を
見ながら
「そのむこうに
何があるのかな」
って
(p.110)

元の歌

白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

真っ白な鳥だから背景の青に溶け込まずに浮いているというのは傍観者だから分かるのであって、飛んでいる白鳥は自分自身は見えないから、おそらくその浮いているということが分からない。なぜ浮いているのか分からない。このマンガに出てくるキャラは自分が浮いてることは分かっているけど気付かないふりをしているというか、平然を装ってとんでもない行動に出るというか、とりあえず普通ではないけど、鳥なんだよ、きっと。

しかしこれが青い鳥だと傍観者ですら気付かないような気もする。

 

電波オデッセイ
永野のりこ
アスキー出版局
ISBN4-7561-1269-2