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Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

東大合格請負人の 子供の学力がぐんぐん伸びる「勉強スイッチ」の入れ方

昔、ネットで書いたりライターみたいな仕事したときに、文章の書き方が分からなくて、そのための本を何十冊か読んだことがある。最初20冊程度だと思う。その後もちまちま増えて、結局何十冊。数えなかったので、何冊読んだのか正確にはわからない。

もう十年経つかもしれないが、掲示板で受験系の質問が出ていて、回答を投稿するときに、自分が書いた内容が正しいのか、一般的なのか、世間では普通なのか、そういうことを知りたくて、いわゆる受験ノウハウ本を買った。

それが案外面白くてハマって、以降、主に古本を買って読んでいたら、これも何十冊にもなってしまった。こちらはリストを作っていて、リストにあるものだけで今65冊だ。中にはアハ体験の茂木健一郎さんとか、今でしょの林修さんの書いた本もある。テレビに出ているような人の本は、同じことを書いていても面白いというところが面白い。

今日紹介するのはその種の本で、時田啓光さんの、「東大合格請負人の 子供の学力がぐんぐん伸びる「勉強スイッチ」の入れ方」。

いわゆる受験本は、受験生本人が読むことを想定したものが多いが、この本は親御さん達が読むことを想定している。子育てする人が読む本。

偏差値○○から東大合格、みたいな本はたくさんある。その本を買ってその通りやったら全員東大に合格するのか。Yes。全員合格する。10万人読んで実践したら、来年は東大に10万人合格する。

なんてことは有り得ないよね。定員3千人なんだから。でも、この種の本に書いてあることは、やれば本当に合格するような内容が殆どだ。

となると正解は1つしかない。その通りできる人が殆どいないことになる。定員3千人に全員入る程度の人しかできない。例えば「まず2か月で○○を完成させて基礎を固める」みたいなことが平気で書いてある。普通の人がやると半年かかるのに。

この本には1年半で偏差値35から東大現役合格という話が出てくるけど、特別な条件が揃っていて、特に暗記力集中力があったのがポイント。いきなり一日中勉強しろといわれてもできない人も多いが、この人は出来たのだと思う。特に、何より珍しいのは、偏差値が35しかないのに勉強に興味を持ったところだ。これがまず滅多にいない。

この本を一言でいえば、「勉強する気になれば何でもできる」。東大にも受かる。だから先の話と同じ。つまり、その「勉強スイッチ」を入れるのは、おそらく、とても難しいのだ。

この本には、スイッチを入れるヒントがたくさん出てくる。ゲームをやらせるとか、トイレで勉強する、歌をうたう、消しゴムを使わない。個別に見れば、割と普通にやっていそうだけど、案外できない、そういうタイプのネタが多い。普通のことって一番難しかったりする。

ちなみに、今書いたような話は、プレジデントファミリーのような教育雑誌では定番の勉強法で、本当にありふれているのだけど、勉強しない子供のいる家庭は多分そういうところが全部逆になっているのではないか。一番悪いのが「勉強しなさい」と言うこと。そう言われて勉強する気になれるのは小学校4年生までだ。何で勉強するのと切り替えされてしまったら困るのだけど、では子どもはなぜ勉強しているのだろう。

小学生くらいの小さな子どもが勉強をがんばるのは、基本的にはお母さんのためだということはご存じでしょうか。
(p.45)

勉強すればお母さんが喜ぶから勉強するというのだが、最近の知恵袋を見ていると、大学受験生が大学入試で全滅したときに「親が悲しむ」とか「期待した先生に申し訳ない」のような言葉がたくさん出てきて、自分のためというのはどこ行ったのかと、どうも違和感がある。



東大合格請負人の 子供の学力がぐんぐん伸びる「勉強スイッチ」の入れ方
時田啓光 著
青春出版社 発行
ISBN 978-4-413-03970-3