Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

書籍

坊っちゃん

夏目漱石の「坊っちゃん」には、中学校の生徒と師範学校の生徒による大乱闘シーンがある。つまり喧嘩だ。昔は番長というコミックのカテゴリがあって、学校同士が喧嘩で上下を決めるという不文律があったらしいが、現実にそんな世界があったかどうかは定かで…

ヒッコリー・ロードの殺人

推理小説率が最近高いようですが、今回はアガサ・クリスティーさんのポワロが出てくる作品から、ヒッコリー・ロードの殺人。 ヒッコリーロード26番地の寮で殺人事件が起こります。名探偵ポワロがこれに挑むことになりますが、その前にポワロは寮で発生してい…

傷物語

今日は西尾維新さんの物語シリーズから「傷物語」です。 出だしのパンチラというかモロに見えるシーンは有名です。 羽川のやや眺めの、膝下十センチのプリーツスカートの前面が、思い切りめくれあがってしまったのだ。 (p.16) アニメ「化物語」の初回がいき…

狐笛のかなた

守り人シリーズを途中まで紹介していますが、今日の本は守り人シリーズの作者である上橋菜穂子さんの作品です。 主人公の小夜はひょんなことで怪我をした狐を助けます。狐の名前は野火、妖狐で使い魔です。小夜は実は能力者で、立場的には敵同士なのですが、…

月光ゲーム―Yの悲劇'88

今日は推理小説です。月光ゲーム。月に吠えるわけではありませんが。何となく月といえば狂気のイメージが。 「僕も夜型人間やから判るよ。月の光が窓辺にさすと心の平安が訪れるっていうことか」 「違うの。月の光は人間を解放してくれるんやなくて、呪縛す…

文学効能事典 あなたの悩みに効く小説

この本は、症状ごとにどんな本を読めばいいか紹介してくれる処方箋集です。 症状というとイメージし辛いですが、例えば「自分の鼻が嫌いなとき」とか「結婚相手をまちがえたとき」のような、かなり意表をついた症状にも対応しています。処方となっている紹介…

彼女が死んだ夜

ミステリーです。ハコちゃんこと浜口美緒が飲み会を先に抜けて誰もいないはずの自宅に帰ってみると、ざんばら髪の女性の死体がころがっています。 美緒のトランクに、まるで洗濯物みたいに引っかけられているそれは、肌色のパンティストッキングだった。 (p.…

プレジデントFamily(ファミリー)2017年10月号(2017秋号:東大生179人の小学生時代)

今日は歯医者に行ってきたのですが、渋谷に30分ほど早く着いたので買ってきました、 プレジデントファミリー。昨日紹介した「東大生179人の小学生時代」という特集です。今回の記事で面白いのは、ずっと勉強三昧かと思いきや、ある時期までかなり落ちこぼれ…

家なき子

最近何となく読んだのだが、子供の頃にも読んだかな。炭鉱に閉じ込められるエピソードとか、覚えてない。 捨て子のレミが旅芸人のビタリスに売られて一緒に旅をする物語。ビタリスは吹雪のとき死んでしまい、そこからは一人で旅をすることになる。大学に受か…

Fコース

バーチャという仮想現実世界のゲームの話。Fコースというのは、このゲームのコースです。AからFまであるらしい。ちなみに、Aコースという作品もありますが、そちらは私は読んでいません。 主人公は諸岡智里。 テストの点では、誰にも負けない。でも私には、…

ウィトゲンシュタインVS.チューリング―計算、AI、ロボットの哲学

今日は台風も近くなってきたので【謎】雑記で書き始めたのですが、カテゴリは書籍も入れちゃいます。以前買って、最近ざっと読み直した本なのですが、ちゃんと説明しようとしたらとても重いので。 私は大学でIT系の学部だったので、チューリングは当然のよう…

寂聴 般若心経―生きるとは (4)

流石に今日で終わらせてしまいましょう。般若心経です。 瀬戸内さんが家を建てたときに、よくわからないで任せておいたら想像を超えた大きな家が建ったのでびっくりした、という話があります。 ですから私は、出家したときから「あなたまかせ」だったんです…

寂聴 般若心経―生きるとは (3)

さらに続くなんて書いてしまったからもう書くしかないですね。今日も瀬戸内さんの般若心経から紹介します。 余談ですが、この本に何度かニルヴァーナという言葉が出てきます。個人的にはニルヴァーナといえば伝説のロックバンドなのです。ボーカルの Kurt Co…

寂聴 般若心経―生きるとは (2)

明日に続くなんてうっかり書いてしまったら書くしかないですよね。真実は美しくないという話で、次のような言葉が出てきます。 心に闇があるから、人間のすることは、ろくでもないことが多いんです。でも、それが人間なんです。 (p.143) 性善説とか性悪説と…

寂聴 般若心経―生きるとは

昨日は書評を書いている途中で Windows が再起動してしまった。それも定めなのか。何かイヤな予感がするけど、今日の本は般若心経の解説書です。 もちろんプロが書く般若心経の本ですから、解説も書かれていますが、面白いのは瀬戸内さんの雑談です。 試験に…

小僧の神様・城の崎にて

タイトルになっている「小僧の神様」と「城の崎にて」を含めて18の短編が収録されている。 個人的に印象に残っているのは「佐々木の場合」だ。「僕」と子守の「富」が逢引しているときにお嬢さんが火傷をするシーンである。 火が出てくるシーンはショッキン…

東大2018 たたかう東大

ちらっと先日紹介した、東京大学新聞社が毎年発行している本です。今年は「たたかう東大」がテーマです。 巻頭カラーは脚本家の森下佳子さん。服の専門学校に行きたかったが、親がとりあえず総合大学に行けというので東大に入ったというのが何かズレているよ…

退屈なことはPythonにやらせよう

先日、電子書籍だと持ち運ばなくていいから…、というような話を書いたような気がしますが、実は英語版はWebで全部公開されていることを今頃知りました。(Automate the Boring Stuff with Python) 私は昔、誤訳に泣かされたという経験もあって原文派なので、…

禁じられたジュリエット

まだ途中なのですが、今日の本は何なんだろうか、ラノベでいいのかな。 禁書を読んだ生徒が生徒に処罰される、というのは何かマンガにありそうなシナリオですが、ストーリーの背景にあるのは「自由」とみました。まだ読み終えてないので、最後のドンデン返し…

灼眼のシャナ〈10〉

今日も時間がないのでパス、と思ったのですが、手元にたまたまあった本を紹介します。灼眼のシャナの10巻。シャナを全く知らないと、多分これ一冊だけ読んでも訳が分からないと思いますが、本編からは独立したストーリーで、世界観が分かっていればこれ一冊…

地獄変・偸盗 (2)

今日も何か本読む暇なかったので、昨日紹介した本「地獄変・偸盗」から「偸盗」(ちゅうとう)という作品を紹介させていただきます。盗人の話です。まず、盗人のくせにイイこと言ってる所というか、 一度した事は、三度するって云うじゃないか。 (p.11) そうだ…

地獄変・偸盗

芥川、何はともあれ地獄変。 地獄変の屏風と申しますと、私はもうあの恐ろしい画面の景色が、ありありと眼の前へ浮かんで来るような気が致します。 (p.106) 続いて地獄の描写なのだが、地獄を見た人というのは実在しない訳で、あるいはこの世こそ地獄だとい…

武曲

ということで、武曲。映画化されたんですよね、まだ上映しているか。今更アレですけど、曲というのは主人公がラップ的だからなのか。実際にはラップしているシーンはないが。 ストーリーは禅の話…じゃないか。なくもないか。 この世の事物は、実際に存在して…

ほむら

便利な世の中になって、ググれば大抵のことは大体分かるから、婆子焼庵とは何だみたいな説明は面倒だからしない。オリジナルの公案に興味があれば、ググってもよし、禅の本でも買ってくるのもいいと思う。あまりにも不親切とか言われてもどうってことはない…

武曲II (2)

昨日の続きで「武曲II」です。昨日書きたかったというのは、高校生の心理描写みたいなところ。主人公の羽田は高校生だから、そのあたりの不安定な精神パターンが面白い。やんちゃなのです。 本当に俺は自分でも分からないまま、何かやったのだ。 (p.68) 自分…

武曲II

また得意技の最新刊からの紹介になります。高校生剣士の話です。武曲は「むこく」と読みます。この本は2巻目です。 主人公の羽田はラッパー剣士の受験生。剣道は強いけど無茶苦茶です。殺人刀(せつにんとう)という言葉が出てきます。これは柳生の用語です。…

とっぴんぱらりの風太郎 下

先日、「とっぴんぱらりの風太郎」の上巻を紹介しました。やっと下巻を読めたので、続きです。 今度は大阪夏の陣が舞台になります。本阿弥光悦に瓢箪を持っていくのですが、光悦は人相も見るようですな。人を斬ったとか、顔を見れば分かるというのは凄いです…

侵入 レベル7 (2)

昨日の続きで「侵入」です。この小説にはあまりサイバー的なシーンが出てこないのですが、ログを確認するシーンがあります。 レベル5の故障リストにレベル7の故障が記入されている。 (p.129) こういうのは珍しいかもです。まあでもログをちゃんと分類、管理…

侵入 レベル7 (1)

今日は昨日紹介した「侵入 レベル7」について、少し書きます。 ストーリーとしてはサイバー小説というよりはSFです。物理学的根拠から逸脱した現実性のなさそうな設定ですが、世の中案外ヘンなことが普通に進行しているので、既に謎のネットワークがインター…

宇宙をぼくの手の上に

SF。作者フレドリック・ブラウン氏は、序文にこんなことを書いている。 わたしは、ものを書くのが大嫌いなのである。 (p.10) どこまで本気にしていいのか分からないが… この後ブラウン氏は、SFなら非科学的なことでも強引に世界を作って完成できるからいいと…