Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

雑記

今日は帰りの電車が大混雑してどうなるかと思いましたが、とてもパソコンは使えないということでこの本を読んでいました。

ちょうど読み切ったところで目的地に着いたのですが、感想とか書く元気がないので今日はパスします。一言でいえば、最初から最後までスリリングで、なかなか面白かったです。個人的には高評価を付けたいです。

 

暗いところで待ち合わせ
乙一
幻冬舎文庫
ISBN: 978-4344402140

雑記

今日はちょっと本をサクっと借りてみました。帰りの電車で読んでいましたが、割とサクサク読んだので、もう少しで電車を乗り過ごすところでした。逆になぜ気付いたのか不思議です。

本当は昨日紹介した裏ワザ勉強法をもう少し読みたかったのですが、家に置いて出てきてしまったのです。

 

雑記

今日は電車の中でこれをちょっと読みました。

福井さんの本は以前から何冊か読んでいたのですが、これは最新なのかな、いろいろ改良されていて面白いです。

例えば、勉強法の本ではエビングハウス忘却曲線が有名なのですが、

ボクの考えによれば、エビングハウス忘却曲線は間違っており、受験勉強には全く役に立たない。
(p.61)

そんなこと言ってしまっていいのでしょうか(笑)。ま、確かに解釈を間違っている人は多数いるわけですが、忘却曲線を根拠にして1日後と3日後と3週間後に復習しろと主張している人達は大変です。

個人的にビックリしたのはコレです。

英和辞典は不要だ!
(p.76)

マジですか。ただ、入試会場に辞書は持ち込めないのだから普段から辞書なしで解釈する訓練をしろ、というのは正論だと思います。

 

一発逆転マル秘裏ワザ勉強法 2020年版
福井一成 著
YELL books
ISBN: 978-4753934423

雑記

今日は朝からかなり体調が良くなかったのですが、なぜか電車で隣に座る人がIT系の入門書を読んでいるので気になりました。何か試験でもあるのでしょうか。

で、私はpcを開いてプログラムを書いたりしていました。本はちょっとだけ「ギリシアの神話」を進めましたが、まだまだ神々の世界は長そうです。

死のオブジェ

今日はマロリーシリーズから、「アマンダの影」の次の作品、「死のオブジェ」を紹介します。

原題は KILLING CRITICS、critics は評論家のことです。この話の冒頭でライカー巡査部長と会談するのが美術評論家のクイン。今回のキーマンです。もう一人、面白い美術評論家が出てきます。アンドルー・プリスです。

いつも他の評が出るまで待っていて、風向き次第でどっちにでもなびく
(p.34)

しかもこのプリスが酒好きときています。酒の勢いなのか何か謎ですが、夜中に忍び込んでブルーミングデールズというデパートの屋上に立てこもります。屋上を封鎖すると、下界の人達を双眼鏡で見て、メガホンで叫びかけます。

「あなたですよ! そこの黒と白のドレスの人、そういう肥満体に、横縞の服は似合いませんよ。お友達からも言われてるでしょう? わたしなら、そう、その地中海風の色には、真紅を合わせますね」
(p.79)

下を通行している人はどこから声がするのか分からないので猛烈にうろたえます。

「まさか、そのゴージャスなアルマーニをバスに乗せる気じゃないだろうな」
(p.89)

この男は仕方ないのでタクシーを拾って去ります。皆さん案外すなおなものです。私有地に勝手に立てこもったら不法侵入になりそうなものですが、

アンドルー・プリスは店の屋上に豪勢なキャンプ場を設けたんだそうです。その後、公共事業委員会の会長の女性がマスコミ向けに、アンドルー・ブリスは進行中のアートであるという声明を出し、さらに、自由人権協会の弁護士が店側の法律事務所を相手に、言論の自由と法的責任について…
(p.106)

持つべきものは権力者のコネというか、アンドルー・ブリスはもともとブルーミングデールズの得意客だし、有名人がパフォーマンスアートをしているというので話題になって宣伝になるというので被害届も出さないで黙認している。そうなると屋上に持ち込んだ食べ物も底をついてしまい、ブリスは死にそうになります。それでマロリーはこっそりパンを差し入れてやります。慈悲とかではなく、死なれると困るからなんですね。なぜそれほどまでして屋上に立てこもるかというと、誰かに殺されると思っているからです。身に覚えがあるんですね。

では、邦題のオブジェって何なのかというと、マロリーが追っているのは12年前の、ピーター・アリエルとオーブリー・ジレットが殺された殺人事件です。オーブリーはクインの姪という関係です。この二人が殺されたときの現場は、死体を使ったアート、オブジェになっていたのです。

事件解決のヒントはクインが抱えているのですが、なかなかガードが堅い。このストーリーには何度も見せ場がありますが、圧巻なのはマロリーとクインのフェンシング対決です。マロリーもなかなかの運動神経ですが、クインはオリンピックで金メダルを取るような腕です。普通にやっては勝てない勝負にどうやってマロリーが勝つか。

フェンシングはチェスみたいなものなんだよ。
(p.434)

フェンシングの経験のあるチャールズの言葉です。フェンシングは運動神経ではなく戦略で闘うものだというのです。マロリーのとった戦略は単純なのですが、マロリーらしい発想でした。伏線もしっかりあって面白い。

マロリーらしい発想というと、最後のシーンのこのセリフも印象的です。

アンドルーは誰も殺していないわ。サブラ。わたしには、人を殺した人間が見分けられるの。
(p.509)

サブラというのはクインの妹で、マロリーはクインに勝ったらサブラの居所を教えろと要求するのです。先のセリフはマロリーが最後にサブラに話しかけたときのものですが、最後のクライマックスは例によってぐちゃぐちゃで誰がどうすれば収拾できるのかわけが分かりません。それにしてもマロリーはなぜ人を殺した人間とそうでない人間を見分ける能力を持っているのでしょうか。

何か全然まとまらないようですが、無理なのでこれで今回終わりです。最後に余談みたいな。警察での会話です。

「でも、殺人事件の発生率は下がっているんですよ」
「今年は選挙があるからな。市長のやつ、警察がイーストリバーをさらうのを許さないんだよ」
(p.312)

殺人事件発生率を下げるには、殺人事件を捜査しなければいいわけですね。確かに合理的です。


死のオブジェ
キャロル オコンネル 著
Carol O'Connell 原著
務台 夏子 翻訳
創元推理文庫
ISBN: 978-4488195083

雑記

今日はアマンダの次の作品「死のオブジェ」を書こうと思ったのですが、ていうか先程まで書いていたのですが、もうこんな時間なので諦めて明日にします。なかなか深い作品なので難しいです。

チェックを入れてあったところから一つだけ紹介します。

待って、駅員が嘘をついたのかどうか確かめよう。昔、連中の言うことは、二回に一回は嘘だった。
(p.460)

要するに話を聞かずに適当な返事をしていたのでしょう。ランダムに返事するので当たる確率が1/2になるわけです。

 

アマンダの影

マロリーシリーズ、「氷の天使」の次の作品です。いきなりマロリーの死体が出てくるニュースを、チャールズとマロリー本人がメシを食いながら見ている、というシーンは先日紹介しました。自分が死んだニュースというのは一度見てみたいような気もしますね。ちなみに私はテレビに映ったことがありますよ。

タイトルはアマンダ・ボッシュというのは被害者の女性の名前から。マロリーと間違えられる位ですから、最初は身元不明なのですが、マロリーが超速で身元を調べます。

指紋のない遺体としては、このスピードは市警の新記録だ。
(p.54)

アマンダが借りていた部屋に入るとネコがいます。文庫本の表紙になっているのがソレですかね。マロリーは猫が好きとかいうタイプではないので、拳銃で威嚇しようとするのですが、

マロリーは、片手を腰に当て、ブレザーを開いて、ホルスターの拳銃を見せた。ほんのつかのま、猫にこの脅しは効かないということを忘れてしまったのだ。
 猫はあと足で立ち上がると、慣れた様子でステップを踏み、優雅にくるりと一回転した。
(p.69)

ネタバレっぽいですが、ここを最初に読んだ時点で理解したら推理小説マニア的にはかなりのハイレベルな読者でしょうね。私は気付きませんでした【なにが】。

で、猫好きではないマロリーはこの猫を自宅に連れて帰ります。ご主人様が殺されて同情したわけではなく、

この猫は大事な証人なの。
(p.108)

証人じゃないですけどね、証猫。つまり犯人を見ているというのです。即ち犯人を見たら反応するとか、あるいは犯人がこの猫を見て反応するのではないかと。

出てくる容疑者は例によって片っ端から怪しい人ばかりですが、性格的におかしい人が多いというのもマロリーシリーズの特徴です。もっとも、一番おかしいのはマロリーなのかもしれませんが。今回のストーリーでは鉛筆が空を飛び花瓶は勝手にテーブルから落ちて割れますから、亡霊も一役噛んでいます。もっとも、これらは心霊現象ではなくタネも仕掛けもあるマジックなのです。多分。

今回のストーリーでもう一つ注目したいのが、アマンダが書いていた小説です。これをチャールズが精読して犯人の手がかりにしようとするのですが、なかなか一筋縄ではいきません。チャールズは猫がマロリーになついていることに疑惑を持ちます。餌をやっているチャールズにはなつかないのです。

「ノーズは体罰によってしこまれたのかもしれない。それに、視覚的な刺激に反応してる可能性もあるわね。あの耳はどうしたの?」
(p.211)

ノーズというのは猫の名前です。体罰の最も大きなメリットは言っても分からない相手に“しこめる”という所にあります。今の世界は猫も杓子も体罰禁止一色ですが、このメリットは一体何で代替すればいいのでしょうね。単純に体罰を禁止して、間違ったことを平気でやる人間を増産している、というのが今の迷惑動画の原因のような気がするのですが。もしかして猫の中には日本語とか分かるのもいるかもしれませんが、

「だとすると、猫は痛い目に遭うまいとして踊るんでしょうね」
(p.212)

これが先のステップとつながってくるわけです。

さて、途中殆ど端折りますが、今回、キャシーの8歳の頃の話が出てきます。

「スナッフ・フィルムというものを知ってるかい?」
「いいえ」
「人をなぶり殺しにするところを撮ったフィルムだよ。」
(p.386)

それにキャシーが殺される役として映っているのです。シーンはモノスゴすぎるので紹介しませんが、映像化したらあまりおおっぴらに公開できないような感じです。もちろん今のキャシーがいるのですからこのピンチを切り抜けるのですが、キャシーは8歳で既にブチ切れてたんですね。

さて、最後に酔いどれライカーの最後を予言(笑)する言葉を紹介しておきます。

いつの日か彼は酒で命を落とすだろう。いざというとき反射神経が働かず、彼のみじめな人生はそれで終わりとなるのだ。
(p.42)


アマンダの影
キャロル オコンネル 著
Carol O'Connell 原著
務台 夏子 翻訳
創元推理文庫
ISBN: 978-4488195076