Phinlodaのいつか読んだ本

実際に読んでみた本の寸評・奇評(笑)

今日もお休み

実は今まで焼酎を飲んでいてへべれけなので何も書けません。すみません。ちなみに昨日話題にした世界の中心ほにゃららは一読し直して付箋を貼った状態なのだ。しかも今日はこんなの読んでいる。

この話は、アニメは見ていたのだが、小説は読んだことがなかったのである。

ギュスターヴくん

もう暑くて何もやる気が…とか言い訳をしたいところですが、実は今日は室内にずっといたから猛暑も雨も殆ど影響がなかったのです。但し昼にソバを食べに行った時には体温よりも気温が高いような気がしました。今日は絵本です。

えーと、これはぬこなんでしょうか、それともタコなんでしょうか。昨日の本よりもこっちの方がよほど妖異のような気がしますが、そもそもぬこちゃうだろ、ネコやろ、というのはおいといて、ワニさんひどい目にあって災難ですよね。そろそろワニさんも仲間に【違】。

ワニさんといえば某モーニングでたまに出てくる男爵も気になります。


ギュスターヴくん (MOEのえほん)
ヒグチユウコ 著
白泉社
ISBN: 978-4592762003

妖異

今日紹介するのは、昨日前ふりしたミステリの短編集。傑作短編集(4)とタイトルに付いているから、この前に3冊あるはずだけど、そちらは全然読んでない。

収録されているのは6作品、まず、綾辻行人さん作「人形」。ミステリというよりも怪談。主人公は作家。人形にどんどん体を取られてしまう。

どんな時でもいま書いている作品のことが頭のどこかにあって、それについて考えている。
(p.25)

一日中仕事らしい。作家は魂を削って作品を書くというが、そういうことなのかな。

2つ目は石川喬司さんの「エーゲ海の殺人」。これはミステリですね。殺人事件のようだが、主人公が行方不明になってしまう。手紙の形式で話が進んでいくのだが、どこが本当なのかよく分からない。

もっとも、手紙なんてものは、いくらでもウソ八百が書けますので、私の言葉も保証の限りではありませんが……。
(p.87)

3つ目は大下宇陀児さんの「魔法街」。江戸川乱歩の作品のに近い雰囲気を感じた。ヘンな博士とか出てくるのが昔の推理小説みたいで妙に古風で趣がある。しかし何となく分からない作品だ。

4つめは大坪砂男さんの「零人」。ミステリというよりはオカルトな感じがする。これも怪談かな。

自分の前に、もう一人の自分が現れたとき、それに話しかけられた者は、必ず墓穴の用意をしなくてはならんのだ。
(p.140)

ドッペルゲンガーですな。この理論だと、先に声をかけた者の勝ちだ。

5つ目は加納一朗さんの「ギズモ」。SFです。宇宙生命体がテレビの中に住み着いてしまう。空間分子変換製造機というわけのわからないメカが出てくる。要するに何でも作れる機械だ。あなたなら、何を作ります? ベタな話だが、やはりお金なのかな。この話では、ダイヤモンドを作ることにしたのだが、すごいダイヤが出てくる。

最後の作品は、香山滋さんの「ソロモンの城」。これはインディジョーンズ。冒険活劇的な物語。この本の半分はこの物語が占めている。インドの獅子を調べに行くという話がいつの間にかソロモンの秘宝を探すことになってしまう。鍵はソロモンの桃。次から次へとシーンが切り替わってわけが分からないからまとめようもない。1ページ中に1度も改行しないようなオールドスタイルの文体は、ラノベに慣れている読者だとヘビーすぎて途中でクラクラするかもしれないが、ある程度我慢して読み続けたらそこから先は止められなくなってしまう。


日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集(4) 妖異
綾辻行人石川喬司大下宇陀児大坪砂男加納一朗香山滋
双葉文庫
ISBN: 978-4575658989

台風が来ている

今日も一休み。突発的に雨がドカドカ降ってくる。駅から降りたときは誰も傘をさしていなかったのに、100mほど歩いたところでゲリラ的に雨が降ってきてびしょぬれになった。傘は風に強いものを使っている。強風でベコンと裏返るけど、壊れないような設計になっているようだ。

以前、こういう雨でカバンに入ったpcが水没したことがあったので、要注意である。カバンにどんどん雨水が溜まったのだ。ノートパソコンを傾けたら水がざーっと出て来たのだが、確かその時は乾かしたらちゃんと起動した。

そうそう毎日本ばかり読んでいられない…といいつつ、実は今日は1冊読んでいる。ちょっとヘビィだったけど、この本。

とっぴんぱらりも全部読み終わっているのだが、下巻が get できていないのでなかなか評を書き辛い。引用したくても、下巻のページ数が分からないのである。

とっぴんぱらりの風太郎 上

忍者モノの時代小説。面白いです。こういう本は夜通し読みたいですね。風太郎は「ぷーたろう」と読みます。この巻の舞台は関が原が終わって大阪冬の陣あたりまで。私はなぜか文庫本の上巻と単行本の後半しか読んでないんですよ、こういうパターンは珍しいだろうな。

上巻は、風太郎という忍者が瓢箪を作る話です【違】。忍者系の話ならカムイ伝子連れ狼のようなマンガを結構読んだので、すんなりと理解できたような気がしますが、瓢箪はよく分かりませんが。忍者というのは必ず必殺技を持つことになっていますが、

本当に優秀な術を使う男なら、どんな技を持っていたか、逆に誰も知らないはずだ。
(p.18)

他人がその術を知るときは死ぬ時ですね。「たまゆら」って知ってますか、手裏剣の技です。剣術には口伝とか秘伝が多いので、誰も知らない技がたくさんあります。なぜかよく知られているのが謎です。技の維持も大変なようです。

怠けていると、あっという間に腕が落ちる。それでいて元に戻るには、三倍の時間がかかる。
(p.247)

受験生は3日サボったら成績が下がるそうですが、忍者も復習が大切なんですね。

戦はいつも突然やってくるという婆さんのお言葉が深いです。

毎日安穏に暮らしているときこそ、いちばん気をつけなくてはいかん。気がついたときには、もう始まっているのがいくさというものじゃ。
(p.356)

どこかの国がバンバン打ち上げているミサイルって、そういえばどうなりましたかね。

下巻、というか後半ではもっとバトルが凄くなりますが、忍者が出てくるだけに、戦闘シーンは圧巻です。敵にもラスボスみたいな強敵がいて、味方の最強戦士の左門がヤラれてしまいます。後でねね様が風太郎に尋ねます。

「左門はよい死に様じゃったか」
(p.400)

人間、生き様じゃなくて死に様ってことですかね。そういう時代もありました。今もそうなのか。


とっぴんぱらりの風太郎
万城目 学 著
文春文庫
ISBN: 978-4167906894

モノクロの君に恋をする

漫研を舞台にした小説です。Amazon のレビューは悪くないようだけど、これマンガを知らない人が読んでも面白いのかな?

話の途中にマンガがたくさん出てきます。ちょっと見て気付いたのを紹介すると、「進撃の巨人」「弱虫ペダル」「スラムダンク」「ドラゴンボール」「幽☆遊☆白書」「ガラスの仮面」「ジョジョの奇妙な冒険」「ポーの一族」「イタズラなKiss」「うしおととら」「ハチワンダイバー」「吼えろペン」「日出処の天子」「トーマの心臓」「ちはやふる」「花より男子」「ヘルタースケルター」「ヒミズ」「AKIRA」「テンプシコーラ」「昴」「ピンポン」「キャプテン翼」「こどものおもちゃ」「放浪息子」「BANANA FISH」「のだめカンタービレ」「ハチミツとクローバー」「ご近所物語」「下限の月」「マーマレード・ボーイ」「童夢」「まんが道」「タッチ」「ハンター×ハンター」「ワンピース」「ブラックジャック」「少年少女ロマンス」「金田一少年の事件簿」「東京大学物語」「DEATH NOTE」「るろうに剣心」。

こんな感じで出てくるので、だいたい内容を理解していたら解けます【謎】。個人的には風木が入ってないのは納得いかないですが。解くというのは、

エヴァ』のシンジくんを思い出すうじうじっぷりだわ。
(p.238)

とか言われても、シンジくんを知らないとシンジって誰状態になって思考停止してしまうじゃないですか。

まあそういうの一切無視しても面白いです。というのは、登場人物が主人公の小川卓巳くんも含めて全員社会不適合者。一見現実的にあり得なさそうでよくあるパターンです。集団生活できない人々がサークルという媒体をシェアすることで外見的集団を形成します。こういうサークル、今も【謎】多いのでしょうか。だとしたらある意味日本の未来は明るいかもしれません。

小川くんがサークルの先輩と激論しているときに思わずつぶやくコレが印象的でした。

そ、そのまま自分に見とれて鏡に飛び込んで血まみれになればいいのに……!
(p.96)

性格としては普通かな。マンガ的には鏡に飛び込んだらあっちの世界に無事転送されてしまいそうな気もしますけど。

大学の雰囲気がよく出ています。キャンパスライフを思い出します。まだの人はこれからの世界を妄想できます。

わたし、あそこのグァテマラのコーヒーを楽しみにしてツラい講義に耐えてきたのに
(p.104)

大学の近くの喫茶店はお約束ですよね。最近はチェーン店が普通に勢力拡大しまくっているからそうでもない? ちなみに私はキリマン派でした。キリマンジャロはここ何年か飲んでないのです。

漫画を描く道具を選ぶときのセリフ。

本気になるんなら、自分のペンは自分で選ぶ!
(p.214)

プログラマーってそういうのないな。開発環境とか上に言われたのをそのまま使う。昔は emacs じゃないとイヤみたいなのが大勢いました。このセリフに続いて、

天原の言うことは、武の道においても正しい。己の使う武器の性質、本質、特徴。それを見極めることによって、初めて刃は輝くのだ
(p.214)

刃は輝くとか、何か元ネタありそうな気もしますが。そういえばなぜかキーボードやマウスは自分で選んでいるかな。最後に今日の格言。

ダメ人間が集結したところで、ダメな会議にしかならない。
(p.256)

しかも怪文書も出来てしまうのがダメ会議。


モノクロの君に恋をする
坂上 秋成 著
新潮文庫nex
ISBN: 978-4101800998